玄気堂漢方内科クリニック 院長 杉本 久です。

移転のご挨拶

 

 

 

 

 

院長 杉本 久

 私は1980年に北海道大学医学部を卒業し、国立循環器病センター、大阪府立母子保健総合医療センター、国立札幌病院、北海道大学病院において麻酔・集中治療の専門医として心臓血管手術に携わりました。
その経験から循環器病の予防を志し、北大病院集中治療部を辞した後、国立札幌病院、旧北海道社会保険中央病院にて心臓超音波検査の研修を行い、北大前クリニックの本間行彦先生に漢方診療の手ほどきを受けるなど内科診療の研鑽に努め、北海道脳神経外科記念病院、当麻町立診療所で内科診療に従事した後、東洋医学と西洋医学を融合した医療を目指して2005年4月に玄気堂桑園内科クリニックを開設しました。
 西洋医学的に疾患の原因と病態を明らかにすることは当然ですが、西洋医学的診断で漢方薬を処方することはありません。しかし東洋医学的診断だけで漢方薬を処方するのでもありません。西洋医学的な病態の解明と、西洋医学とはまったく異なる診断体系である東洋医学的診断によって得られる心身の理解、その2つを統合することで患者さんの状態を一段高いレベルで明らかにすることができます。
 11年余の診療の中で実感したことは、漢方薬は当初考えていたよりも遥かに強力な治療効果を持っているということです。なんでもない人には何の変化も生じないおとなしい漢方薬が、その漢方薬を必要としている人が必要としているタイミングで体に入ると、漢方薬ってこんなに効くのか!と驚く劇的な効果を発揮することを何度も経験しました。
 自分が、西洋医学と東洋医学の2つの異なった診断法による病態理解を統合し患者さんが今どのような漢方薬を必要としているのかを見極める力をつければ、漢方薬が秘めている力を最大限に発揮させることができると確信しました。それまで難治とされてきた患者さんに対しても適切な診療ができるようになってきました。今も日々、漢方薬の力に驚きながら診療しています。
「西洋医学と東洋医学の両方のよいところを生かし、患者さん一人ひとりに合った治療を提供いたします」という診療目標は変わりませんが、その目標を実現するために実際の診療は「漢方薬の力を最大限に引き出すために西洋医学を有効に活用します」に変わっています。補完・代替治療という言葉を使うなら、当院では漢方薬が主役、西洋薬は補完・代替の脇役です。
 しかし当然のことながら、このような診療には時間がかかります。開設当初の理念を徹底し更に密度の高い診療を目指して、この度移転することに致しました。規模を縮小し予約制とすることで、落ち着いて丁寧に診療する時間を確保することが可能になると考えております。