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診療科目 漢方内科・内科(予約制)

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診療時間

 

休診日 第1・3・5土曜・日曜・祝日
水曜・土曜の午後は休診になります。

こんな症状、こんな疾患が漢方治療で改善します

呼吸
慢性の咳 息切れ 呼吸が苦しいなどの症状

急性・慢性気管支炎 気管支喘息 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 副鼻腔炎などの疾患

 

 カゼの後で決まって咳が長引く方、日常的に咳に悩まされ西洋医学的治療を続けていても改善しない方です。西洋医学と東洋医学の両面から原因を突き詰めた上で治療を考えます。いわゆるセキドメは痰を出そうと頑張っている身体の働きを妨害することですから、非常時以外は使いません。


 痰を溜め込んでいる人は少なくありません。痰は本来、気管の中の汚いものを外に出す働きをもっています。ですから痰が出ないのは良し悪しです。溜め込まないこと、出しやすくすることを地道に続けることで、ようやく咳がとまり呼吸が楽になります。とは言え、出し切っても、後から後から必要以上に痰が出るのは困りものです。痰を過剰に作らないこと、つまり炎症を抑えること、肺に過剰な水分が溜まらないようにすることも大切になってきます。それぞれの目的に合った漢方薬があります。


 痰を溜め込んでいる人の中には脱水で痰が硬く、粘くて出せない人がたくさんいます。とりあえずは痰を軟らかくして出しやすくする去痰薬が役に立ちますが、根本的には水分をしっかり摂ることで痰を軟らかくし、自力で痰を出せるようにすることを目標にすべきでしょう。しかし脱水が数十年に及ぶ人は自力で痰を出せるまで長い時間を要します。


 咳と痰をコントロールしながら、同時に痰をやたらに作らない体、溜め込まない体に変えていくことも目指します。この目的では漢方薬にかなう薬はありません。タバコは肺に炎症を起こす有害物質ですから、タバコが原因で痰の多い人はタバコをやめない限り根本的な解決になりません。タバコを吸っている方は止める努力をしていただきます。


 副鼻腔炎の後鼻漏が原因となって咳がとまらない患者さんは、見逃さないように注意していると実にたくさんいます。副鼻腔炎が原因の咳は気管支炎や喘息の治療をしてもとまらないのは当たり前です。副鼻腔炎と気管支炎が同時にある人、副鼻腔炎が悪化すると気管支炎も悪化する人もいます。とりあえずは両方の治療をしなければなりません。

 

循環
めまい たちくらみ だるい 冷え 火照り 浮腫み 動悸などの症状

高血圧などの疾患

 

 血液の量が足りないために隅々まで廻らない、血液が濃くて流れが悪い、血液の流れの調節が悪いなどの異常によって上にあげた症状が起こります。このような血液の異常、血流の障害には水の不足が根本原因になっていることが多く、漢方でいう血(ケツ)、水(スイ)の異常で、東洋医学的診断に基づいて漢方薬を使わなければよくなりません。


 高血圧に対しては降圧薬の代わりに漢方薬を使うという考え方ではありません。動脈硬化を含め、血圧が高くなる原因を徹底的に探します。すでに動脈硬化が進んだ方では最終的に、どうしても降圧薬が必要な場合もあります。動脈硬化の程度をしっかり評価した上で考えます。急いで血圧を下げなければ危険な方は、とりあえず西洋の降圧薬で血圧をコントロールしながら原因を探します。イライラする人、緊張する人はそれで血圧が上がります。呼吸器疾患が隠れている人の中には、ふだんは正常血圧でも近所に買い物に行くために歩いただけで血圧が異常に高くなる人もいます。


 よく耳にする質問は「血圧の薬は始めたら一生のまなければならないのか?」というものです。実際そう思っている方は多いでしょう。原因がわかり、その原因を取り除く漢方薬がみつかれば、漢方治療で血圧は下がります。それまで降圧薬を使っていた方は減量する、やめることも可能です。高血圧学会では未だに高血圧の90%は原因のわからない本態性高血圧だと言っていますが、西洋医学的には原因がわからないというだけのことです。東洋医学的に考えれば原因がわかり治療できる人はたくさんいます。


 降圧剤を使うときに注意が必要なのは降圧剤を始めた直後です。高血圧の人の中にも、血管の中の血液の量が多すぎて血圧が高い人と、足りないのに血圧が高い人がいます。足りない人では、足りない血液を必要なところに送るために血管がギュッと締まって血圧を上げています。そのような人にいきなり血管を拡げる降圧薬を使おうものなら急激に血圧が下がって頭に血が行かなくなります。身体がダルイ、気力がわかないなどの症状はよく観られます。高度のときには意識を消失することさえあります。手足が火照ったりすることもあります。


 当院では降圧剤を使わざるを得ない場合は家庭での血圧を測定・記録していただいたうえで、少量から始め、下がり方を確認しながら増量していきます。家庭血圧記録は、異常な血圧が出たときにどのような状態だったかをメモしておいていただくと、その人がどのような原因で上昇・低下するのかを考えるうえで大いに参考になります。例えば休みの日の朝ははっきり血圧が低い、月曜の朝はいつも高いなどの傾向があれば、精神的緊張、ストレスが一つの原因だろうと推測します。


 血管の中身が乏しいかどうかは東洋医学的にわかることも多いので、診察だけで血液不足が明らかな人には、先に漢方薬で水と血を増やしてから、あるいは増やしながら降圧剤を使うこともします。はっきりわからない人は心臓超音波検査まで行うこともあります。
大きな血管の血の流れが悪いのは降圧剤で改善しますが、手足のすみずみの末梢の血管の流れの悪さを穏やかに改善する働きは漢方薬が優れています。

 

消化器
胃が痛い 胃が重い 胃がもたれる 胃がムカムカする 食欲がない 食欲はあるが食べるとすぐいっぱいになって入っていかない 下痢しやすい 便秘がち 便がすっきり出ないなどの症状

慢性胃腸炎 神経性胃炎 機能性ディスペプシア 過敏性腸症候群などの疾患

 

 胃腸の働きの異常には漢方薬が最も有効です。胃と腸の働きは脳も含めて相互に複雑な調節のシステムで動いていることがどんどんわかってきています。しかしまだまだ分からないことが多いと言った方が正しいでしょう。これまでにわかったことは複雑な調節システムの一部に過ぎず、わかった部分だけ一部の調節を変えただけで全体の働きがよくなるわけはありません。西洋の胃腸の薬が、とくに胃腸の働きを調整する目的の西洋薬がほとんど効かないのも納得できます。そこへいくと2、000年以上の歴史をもつ漢方薬は、今日的な知識に基づいて作られたのではないのに、胃腸の働きを総合的に診る、まったく別の考え方で作られ、使われてきたことによって、実によく効く薬になっています。東洋医学的な考えで作られ洗練されてきたのですから、東洋医学的な診断によって使わなければ、その効果を十分に発揮させることはできないのは当然です。


 欧米の医師は目に見えるものしか、数字で表せるものしか信用しません。しかしその彼らでさえ内視鏡でまったく異常がないのに胃腸の調子が悪い人はたくさんいる事実を認めざるを得なくなって、機能性胃腸障害という言葉が欧米でも使われるようになりました。欧米の医師に広く認められている消化器の漢方薬として六君子湯が有名です。北海道大学薬学部の武田宏司教授らのグループは六君子湯がどのように効くのかを西洋医学的に解明し、欧米で六君子湯が評価されるきっかけを作りました。

 

 実際、六君子湯は非常に優れた漢方薬ですが、胃腸に効く漢方薬はたくさんあり、それぞれ独自の働きをします。そのときの状態によって適切な漢方薬は変わります。丁寧にお話を聞いて、お腹を診て、適切な漢方薬を選ぶことが大事です。


 便通異常は一般に考えられているよりも遥かに大きな問題です。便秘に対する受け止め方は個人差が大きく、1週間排便がなくても平気な方もいれば、1日出ないだけで腹が張って苦しいと感じる方もいます。自覚的な症状のない方は当然何もしないですが、腹が張って苦しい方でも市販の下剤で排便してお終いなのが実際でしょう。このような「隠れ便秘」の方が何かの原因で、例えば悪いものを食べたときに、ふつうは下痢して吐いて悪いものを出してしまうことで身体を守るようにできているわけですが、便が詰まっていると下痢さえもできない状態に陥ります。そうすると腸管内圧が上昇し、腸管壁が浮腫み、腸管壁の防御機能が破綻して激しい腹痛と繰り返す嘔吐、菌血症による高熱、肝臓胆管系の炎症という異常事態が発生します。さらにその後腸管の動きが低下し、過去に腸の手術を受けた方や高齢者では腸閉塞の危険もあります。


 このような事態を防ぐために、ふだんから腸の動きを正常に維持し便を溜めないようにすることが大事です。通常はそこまで気にすることなく、自然に排便がなされているわけですが、体質によっては意識して心がけなければいけない方もいます。常習便秘の方は、栄養が不良な方が多いのです。万年下痢の人の栄養状態が悪いことは直感的にわかると思いますが、重症の便秘の人でも消化吸収能力は下痢の人と同じくらい劣っていることは血液検査を注意深く観ればわかります。便通が改善すると、血液検査で栄養状態が改善してくるのがわかります。


 人間の身体の働きの根本から支えているのは胃腸です。食べて、飲んで、消化吸収されなければ、身体を動かし脳を働かせるエネルギー、血と肉を作る栄養はどこからも供給されません。当然、それ以上の高度の機能、血液の流れを維持し、水の代謝を調節し、外敵から身体を守る働きは維持できるわけもありません。このようなわけで、本人に胃腸の働きが悪いという自覚がなくても、何か大きな体の異常がある場合には必ず胃腸の働きが落ちていないか確認し、極端に落ちていれば、その建て直しから始めます。

 

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